Salesforce の AI 機能による自動化と AI との協業(類似検索)
公開日 : 2026.08.04
目次
この記事で学べること
- よくある課題を解決する、今すぐ始められる Salesforce の AI 機能について知ることができます。
- 本記事では、「よくある質問対応」「類似データの検索」「各種データのマッチング」に焦点を当てています。
- 「よくある質問対応」の実装方法は「例: Advanced Data 360 を使用したエージェント型 RAG の設定」(ヘルプ)にまとめられており、本記事では、それを読み解く前提知識を身につけることができます。
- 本記事の内容を理解することで「類似データの検索」「各種データのマッチング」などのユースケースにも応用できます。
Salesforce の AI 機能はどんなシーンで使えるか
日々の業務の中で、必要だけど時間がかかっていて、もう少し効率を上げる方法はないか・・・思うことはありませんか?
例えば・・・
- 議事録の作成
- 要約の作成
- メールの作成
- よくある質問対応
- 類似データの検索
- 各種データのマッチング
など
※ 本記事では、上記4〜6について記載します。
※ 上記1と2については、こちらのページをご確認ください
※ 上記3については、こちらのページをご確認ください
本記事のテーマは、「よくある質問対応」「類似データの検索」「各種データのマッチング」です。「例: Advanced Data 360 を使用したエージェント型 RAG の設定」(ヘルプ)では、「よくある質問対応」を例に設定方法がまとめられています。しかし、専門用語が多く、やや難易度が高いと感じるお客様もいると思います。
そのため、本記事では、上記ヘルプを読みやすくすることを目的に解説をします。
まずは、ヘルプの実装が役に立つシーンを見ていきます。以下いずれかのシーンに当てはまる場合は、ヘルプの実装を検討してみましょう。
シーン0:職場環境の改善が急務
対応する業務は増える一方で、採用はなかなか進まないことに頭を抱えていませんか?
メンバーは毎日残業で従業員満足度は低下傾向。属人化も深刻化する一方・・・。
何とか業務効率を上げて職場環境を改善しなければ、今いるメンバーも競合他社に転職してしまうかもしれない・・・という危機感、ありませんか?
- 対応しなければいけない業務の中にはルーチンワークも多く、本来の業務に注力してもらえる環境作りをしなければ・・・
- 「質」を保ったまま「量」をこなすためには、業務効率を上げる必要があるが、どうすれば・・・

上記は、部門長(上席)の視点でしたが、担当者の視点も確認してみましょう。
シーン1:よくある質問対応
これは FAQ のことです。「こんな質問来そうだな」「この質問よく来るな」というものをFAQ としてまとめた経験がある方も多いのではないでしょうか。でも、実際は、せっかく準備しているのに、「見てくれない」「見る前に質問が来る・・・」という状況もあると思います。

シーン2:類似データの検索
以下のようなシーンはありませんか?
- 自分が担当している商談と同じような過去の商談を探したい(類似商談検索)
- 自分が対応中の問い合わせと同じような過去の問い合わせを探したい(類似ケース検索)
先輩や同僚がどのように商談を進めたか、問い合わせを解決したのかをヒントにしたいときがあるのではないでしょうか。

シーン3:各種データのマッチング
以下のようなシーンはありませんか?
- この求人にマッチしそうな人材を検索したい(求人で求めるスキル × 人の得意分野)
- この製品やサービスを必要としていそうな企業を検索したい(商品 / サービスの価値 × 企業課題)

共通して言えるのは、これらを検索するのは、時間がかかる大変な作業だということと、キーワード検索では本当に必要な情報にたどり着けない場合があるということです。
そんな時に使えるのが、生成 AI と Data 360 による「RAG(検索拡張生成)」です!
Data 360 に蓄積された社内データを背景に連携することで、単なるキーワード検索ではなく、言葉の意味や文脈まで汲み取った「セマンティック検索」が可能になります。
Gemini や ChatGPT を使うような感覚で「〇〇な経験を持つ人材は?」「この課題を持つ企業は?」と自然な言葉で投げかけるだけで、AI エージェントが Data 360 から最適な情報を探し出し、根拠に基づいた的確な回答を返してくれます!
※セマンティック検索については、Salesforce における RAG の仕組み(サクセスナビ)をご確認ください。
以下は、その全体像です。

※ RAG については、以下リソースをご確認ください。
- Salesforce における RAG の仕組み(サクセスナビ)
- Data 360 の RAG 関連 用語集(サクセスナビ)
- Agentforce における Data Cloud の役割(動画)
実現に向けた流れ
ここから、どのようにすれば実現できるのか、「例: Advanced Data 360 を使用したエージェント型 RAG の設定」(ヘルプ)を元に概要を説明していきます。
まず、質問がくる前に、みなさんが FAQ をあらかじめ準備しておくのと同じように、Data 360 でデータを接続して、ベクトルデータベースを構築します。
(ベクトルデータベースに検索用インデックスレコードが保存されています)
※下図の左下の赤枠部分です

セマンティック検索(ベクトル検索)を行うためには、元となるデータ(ヘルプの例では「ケースデータ」など)を数値化した「検索用インデックスレコード(ベクトルデータベースに格納されるデータ)」が必要です。
Data 360 上でこの検索用インデックスを作成するために、まず、Salesforce の組織と Data 360 を接続してケースデータを取り込みます。
※下図の左下の赤枠部分です

※ユースケース毎に Data 360 に取り込むべきデータは異なります。
シーン毎に取り込むデータ(検索対象情報)をまとめましたので、参考にしてください。

Data 360 にケースデータを取り込むとデータレイクオブジェクト(DLO)にデータが取り込まれます。
検索インデックスを作成するためには、予め、データレイクオブジェクト(DLO)とデータモデルオブジェクト(DMO) のマッピングが必要です。

マッピングができたら、データモデルオブジェクト(DMO)を元に検索インデックスを作成します。
(検索用インデックスレコードが保存されるのが、ベクトルデータベースです)
※参考:「検索インデックス」によるベクトルデータベース構築(サクセスナビ)

検索用インデックスレコードができたら、それに対して検索をするためのレトリーバーを作成します。レトリーバーは検索結果を取得します。
参考:検索役を担う「レトリーバー」(サクセスナビ)
※下図の赤矢印(ここ)の部分

AI エージェントが検索を実行するときに使用するプロンプトテンプレートを作成します。
このプロンプトテンプレートの中に、レトリーバーの検索結果を挿入するようにするのがポイントです。
※下図の赤矢印(ここ)の部分

指示の書き方のポイントは、プロンプト作成時のベストプラクティス(サクセスナビ)をご覧ください。
<プロンプトビルダーの画面>

最後に、AI エージェントを作成します!
※下図の赤矢印(ここ)の部分

ヘルプの手順に沿って、サービスエージェントを作成します。
(サービスエージェントは、社外のお客様対応をする AI エージェントです)
ここまでで、ヘルプの解説は終了です!お疲れ様でした!
ヘルプの設定をする前の必読事項
Data 360 を利用すると各種クレジットを消費します。Data 360 の設定を始める前に、クレジット消費の仕組みを理解する(サクセスナビ)をご確認の上、Digital Wallet のアラート設定(サクセスナビ)をしておきましょう。
いかがでしたでしょうか?
「よくある質問対応」「類似データの検索」「各種データのマッチング」のシーンがあるという場合には、ぜひ「例: Advanced Data 360 を使用したエージェント型 RAG の設定」(ヘルプ)を参考に設定をしてみましょう!
一人で設定するのに不安があるという方は、ぜひエキスパートコーチングにお申し込みください。エキスパートと一緒に設定をすることができます。
- Sales: AI & Agentforce
- Agentforce Sales(旧 Sales Cloud)および生成 AI 機能またはAgentforce for Salesを使用できるライセンスを所有しているお客様
- Service: AI & Agentforce
- Agentforce Service(旧 Service Cloud)および生成 AI 機能またはAgentforce for Service を使用できるライセンスを所有しているお客様
- Data 360 : AI & Agentforce
- Data 360 のライセンスを所有しているお客様
- クレジット消費量の確認
- Data 360 のライセンスを所有しているお客様
※ エキスパートコーチングのご利用には、プレミアサクセスプラン以上のご契約が必要です。その他の留意事項もございますので、お申し込み前にご確認をお願いします。
また、プレミアサクセスプランのご契約がない場合でも参加できるオンラインワークショップもございます!
オンラインワークショップ
※ どちらのワークショップも、Salesforce の有償契約のあるお客様であれば、どなたでもご利用いただけます。
オンラインワークショップの日程が合わない・・・という場合もご安心ください。
以下は、ご自身ですぐに着手するための参考リソースです。
参考リソース
- 例: Advanced Data 360 を使用したエージェント型 RAG の設定(ヘルプ)
- Advanced RAG with Data 360 and Agentforce(Trailhead)
- Agentforce 簡易設定ガイド(サクセスナビ)
- Digital Wallet の活用(サクセスナビ)
顧客事例
過去の出稿実績や媒体資料をもとに、アウトドアメディア広告のプランニングをしてくれる AI エージェントを作成されたお客様の事例動画があります。ぜひご覧ください!
まとめ
- Data 360 と RAG の仕組みを活用することで、従来のキーワード検索では辿り着けなかった文脈や意図に沿った情報を、AI が自社データから的確に見つけ出してくれるようになる
- それを AI エージェントに組み込めば、AI エージェントが人の代わりに回答してくれるようになり、人は本来注力すべき業務に取り組むことができるようになる
- Data 360 を利用すると各種クレジットを消費するので、事前に Digital Wallet のアラート設定を行うことを強く推奨
公開日 : 2026.08.04
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